DSRC技術資料bS
DSRC信号のアイ開口率測定


平成14年4月11日から新しいDSRC規格ARIB STD−75が施行されます。
無線周波数が10MHzステップから5MHzステップに変更されることに伴い、次のようにきびしくなります。

占有周波数帯幅 :8MHz→4.4MHz
隣接チャンネル漏洩電力 :−40dB以下@10MHz離調→ −30dB以下@5MHz離調
−40dB以下@10MHz離調

したがって、従来よりきびしくASK変調波を評価する必要があります。

■キーポイント1.<1T信号の振幅とデューティー比>
図1に示しますようにT55規格では、パルス波形に近いため、1Tと2Tの振幅差もありませんでしたし、デューティー比も50%に近いものでした。しかし、T75規格では、図2に示しますように、1T信号の振幅が2T信号に比べて小さくなることもあります。しかも、特に1T信号ではデューティー比が50%から大きく悪化することが考えられます。

したがって、変調器前段のLPF(低域通過フィルタ)の設計はよりきびしくなります。また、T55規格ではさほど問題とならなかった変調器の直線性も十分評価する必要があります。場合によってはデューティー比を大幅に損ねてしまうからです。
図1.T55規格アイパターン
図2.T75規格アイパターン
■キーポイント2.<検波回路>
T55規格では、図3に示しますように、ASK信号はよりパルスに近く、1Tと2Tの振幅差もなく、かつデューティー比は50%に近いものでしたから、アナログコンパレータでデジタル化したとき、出力は50%デューティーのきれいな信号が得られました。しかし、T75規格では図4からわかりますように、デューティー比が大幅に悪化します。
コンパレート
レベル
図3.T55規格コンパレートレベル
コンパレート
レベル
図4.T75規格コンパレートレベル
アイ開口率測定
図5にマイクロ波AM検波器MMD850を使ったASK信号の測定系統図を示します。OBEあるいはRSUに同軸出力端子があれば、同軸接続での観測が容易にできます。但し、この時MMD850の最適最大入力レベルが−6dBmですので間にアッテネータを挿入する必要があるかもしれません。
一方、アンテナ給電パターン、アンテナ素子、筐体及び自由空間を含めた総合評価をする方がベターであることも考えられます。図5ではアンテナ接続の場合を示してあります。空間損失を少なくするため、OBEあるいはRSU側アンテナとMMD850側アンテナの距離は10p程度(−27.7dB空間損失)としました。MMD850側はパッチアンテナを接続しています。このパッチアンテナは弊社から供給することができます。両アンテナ利得を+4dBiとし、OBEあるいはRSUの給電点電力を+10dBmとすると、MMD850の入力電力はー9.7dBとなります。30dBダイナミックレンジを得るためのMMD850の最適最大入力レベルが−6dBですので、ダイナミックレンジは3.7dB損なわれますが26.3dB確保できますので問題はないと思います。30dBのダイナミックレンジを得たい場合は、両アンテナ間をもう少し近づけるか、MMD850側のアンテナを利得の高いものにするかすればよいでしょう。

図5.ASK信号測定系統図

パソコンは、アイ開口率を計算するためにシステムに含めました。アイ開口率演算ソフトはオプションとして弊社から供給することができます。アイ開口率を計算する必要がないときは、パソコンは不要です。