スペクトラムアナライザに対する基礎知識を再確認しておきましょう。

アプリケーション

スペクトラムアナライザはスペアナと略して呼ばれ、AC電力を周波数別に表示する高感度な測定器です。静電気・DC電力入力やAC電力過大入力で壊れたり、不正確な結果表示になる可能性があります。
また、測定するための設定条件が多くあり、設定条件を変更すると測定結果が異なったりすることがあります。
これらのことで苦手意識を持つエンジニアがいると思いますので、スペアナ基礎知識を再確認しておきましょう。

スペクトラムアナライザの種類

スペアナには2種類の異なる測定原理があります。スーパーヘテロダイン技術を使った掃引方式高速フーリエ変換(FFT)によるリアルタイム方式です。

掃引方式は特定の周波数成分のみを切り出して増幅する同調掃引の技術です。入力信号にミキサ(混合器)とLO(局部発振器)を使用してIF(中間周波数)に変換します。LOで周波数を自動掃引させながらIFに変換し、狭帯域のIFフィルタ(これがRBWになります)を通過した電力値を画面表示させます。狙った周波数成分以外は切り捨てることでノイズフロア(表示平均ノイズレベル)を下げています。

一方のリアルタイム方式IFに変換までは同じですが、IF出力をA/D(アナログ・デジタル)変換してからFFT(高速フーリエ変換)計算し、RBWの分解能帯域幅で複数の周波数成分の電力値を同時に表示します。掃引方式のようにRBWの狭帯域で時間をかけてLOが掃引する必要なくなるので、測定速度が速くなります。

スペクトラムアナライザの画面表示

測定したAC電力に含まれる各周波数成分が画面の横軸に周波数、縦軸に振幅の大きさとして表示されます。

結果表示はdB(デシベル)のログ(対数)単位になります。理由はキャリア信号の様な大きな信号とノイズの様な微小な信号を同時に表示する為に広いダイナミックレンジが必要だからです。

例えば縦軸が-100dBから0dBの表示設定をするとします。ここで表示可能な電圧値の最大・最小比率は100dB=100,000倍です。ちなみにリニアな電圧に換算すると2.24μVから224mVです。(50Ω系/電圧20log計算)

MSA538表示画面
MSA538表示画面

スペクトラムアナライザの主な設定項目

中心周波数(CF)・周波数幅(SPAN)・基準レベル(リファレンスレベル)・分解能帯域幅(RBW)・ビデオ帯域幅(VBW)振幅の設定(dBm・dBμV・dBμV/mなど)検波モード(尖頭値・準尖頭値・平均)・演算機能(最大・最少・平均化)等々代表的なものでも数多くあり、エンジニアが苦手意識を持つ原因の1つだと考えられています。

ソリューション

上記の問題を解消したのが、MSA500シリーズのシグナルアナライザです。まず、掃引モードで『AUTO TUNE』キーを押すと、測定可能周波数帯域内の最大レベル信号を自動に最適化設定にてサーチします。

最大信号レベルをサーチできたら、続いてリアルタイムモードで信号の詳細な解析をすることが可能です。

これは、MSA500シリーズの最大の特徴である、掃引モードとリアルタイムモードの2機能を1台のハンディ型シグナルアナライザに搭載したことで可能にしています。よって、苦手意識を改善する最適製品とも言えると思います。

シグナルアナライザ MSA500シリーズ

高速フーリエ変換(FFT)によるリアルタイム方式と、従来の掃引方式の2方式を搭載。両方向のそれぞれの長所を利用可能。

システム構成・価格

構成例

シグナルアナライザ MSA538¥748,000
PCソフトウェア MAS500¥15,800
その他(各種ケーブル・アダプタ等)ご相談ください
合計金額(税抜き)¥763,800~

※詳細は別途 弊社営業担当までお問合せ下さい。

製品紹介

シグナルアナライザ MSA538

MSA500シリーズの中でもっともポピュラーなモデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

シグナルアナライザ MSA538E

EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

シグナルアナライザ MSA538TG

トラッキングジェネレータ搭載モデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

シグナルアナライザ MSA558

8.5GHz帯域により無線系情報通信のほとんどのアプリケーションをカバー
■測定周波数:20kHz~8.5GHz

シグナルアナライザ MSA558E

EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:20kHz~8.5GHz

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