LED照明器具のEMI放射・伝導ノイズ評価ソリューション

LED照明/電球のEMIノイズ評価・対策を、スペクトラムアナライザを含むトータルシステムでサポート

  • ラインインピーダンス安定化回路網による伝導エミッションノイズ測定で、認証サイトでの評価のコスト・時間を低減
  • ループアンテナで放射磁界ノイズを、簡易的にXYZの3軸で測定、対策の効果を確認
  • 簡易/精密磁界プローブで、ノイズ発生箇所を特定、対策を効率的に
  • MSA438E
    スペクトラムアナライザ MSA438E

    昨今、LED照明器具が急速に普及してきていますが、放射されるノイズが問題になっています。 特に電源ラインへ漏洩するノイズが大きい場合、家庭内配線から屋内引込み線などにまで伝導し、配線や架線がアンテナの役割をする事で広範囲に影響を与える可能性が有ります。

    その為、LED照明器具が電気用品安全法(PSE法)の対象となる改正が2012年7月1日より施行され(注1)、発生するノイズが規制される事となりました。

    今回の改正では、定格消費電力が1W以上のLEDランプ、およびLED電灯器具(防爆型は除く)が、規制対象品目として追加されます。LEDランプでは、口金の定格電圧が100~300Vかつ定格周波数が50/60Hz(ヘルツ)のものが対象となり、現在一般的に流通しているE17口金、E26口金などLED電球全般が該当します。 

    LED照明器具からのノイズは、低域での放射磁界ノイズと電源ラインへの伝導エミッションノイズが中心です。CISPRではそれぞれ測定方法が規定されています。伝導エミッションノイズについてはラインインピーダンス安定化回路網(LISN)によるテストが必要とされていますが、プリコンプライアンスとして事前に測定・評価する事により、認証サイトでの検証の時間・コストを大幅に低減する事が出来ます。放射磁界ノイズは、直径2mのXYZ- 3軸ループアンテナで行う事が示されています。 しかしながらこれらの設備・装置はかなり大掛かりで保有するコストが掛かり、対策の効果を直ぐに確認する事は難しくなるため、手軽にベンチレベルで検証出来るシステムが必要です。

    ノイズ対策では、発生ノイズの周波数、発生場所を特定する必要が有りますが、これには磁界プローブが有効です。この後、回路などで対策を行い対策の有効性を検証する事になります。

LISNによる伝導エミッションノイズ(雑音端子電圧)の評価

発生するノイズのうち、100V電源ラインに伝わるノイズは周辺に大きな影響を及ぼす為、伝導エミッションノイズの評価は、重要です。 この測定には、LISN・スペクトラムアナライザを使用します。

LED照明についてMR2300 EMI試験システムを使用した測定例を示します。

MAS430 EMC用ソフトウェアにて測定
LED照明器具の伝導エミッションノイズ特性(~1MHz): MAS430 EMC用ソフトウェアにて測定

非常に大きなレベルのノイズが伝導している事が判ります。グラフ中の赤いラインは、CISPR22で規定されているノイズのリミットラインです。MR2300では、各種の規格のリミットラインを表示し、ノイズがリミットラインを超えた場合について更に詳細に測定を行うようになっています。また、この規格値はユーザーが任意に規定する事も可能です。
(注: CISPRでは、LEDはCISPR 15の適用となっています)

MR2300での測定は、CISPRで規定されている測定方法に準拠しており、測定値はプリコンプライアンスとして認証サイトでの測定値と相関を持っていますので、認証サイトでの評価の手間・時間・コストを大幅に低減し、対策・評価のサイクルを最短にする事で開発期間を短縮し、迅速な製品投入に貢献します。

伝導エミッションノイズ測定システム構成
伝導エミッションノイズ測定システム構成

電波暗箱を使用した電界放射ノイズの評価

電波暗箱を使用することにより、外来ノイズの影響を受けることなく電界放射ノイズの評価を行う事が出来ます。LED照明器具の1GHzまでのノイズ測定結果を示しますが、特に顕著なノイズは観測されていません。

電界放射ノイズの測定(~1GHz): MAS430 EMI用ソフトウェアにて測定
電界放射ノイズの測定(~1GHz): MAS430 EMI用ソフトウェアにて測定

従って、LED照明から発生するノイズとしては、磁界放射ノイズと電源ラインへの伝導エミッションノイズが主であり、これらに対しての対策を行う事が重要だと判ります。

ループアンテナによる磁界放射ノイズの対策効果の評価

CISPR15では、照明器具などの磁界放射ノイズを直径2mのループアンテナの中心にEUTを設置し、XYZの3軸方向で測定する事が規定されています。近々規定される電安法でもその測定方法が採用される可能性が高いと言われています。しかし、このアンテナは設備的にも非常に大きく、測定の為の手間、時間、コストは非常に高い物になります。直径約40cmの小型ループアンテナの中央にLED照明器具を配置し、照明器具自身を回転させてXYZの3方向にて磁界放射ノイズを測定した結果を示します。

軸の方向により、放射ノイズのレベルが大きく異なる事が観測されています。

また、照明器具のノイズ対策を行う前後の測定値の比較も示します。対策後ではノイズレベルが低下している事が判ります。

この様に、小型ループアンテナを使用することにより、ノイズ対策の効果を簡単に速やかに確認でき、また、CISPRと同様の原理にて3軸方向の放射レベルも測定する事が出来ます。

  • 小型ループアンテナ MAN120での磁界放射ノイズ測定
    小型ループアンテナ MAN120での磁界放射ノイズ測定
  • [ループアンテナ MAN120仕様]
    • 外径:420mm, 内径320mm, 厚さ13mm
    • インピーダンス 50Ω, N型オスコネクタ
    • 対応周波数: 50kHz~33MHz (VSWR < 3.0)

軸の方向により、放射ノイズのレベルが大きく異なる事が観測されています。

また、照明器具のノイズ対策を行う前後の測定値の比較も示します。 対策後ではノイズレベルが低下している事が判ります。

この様に、小型ループアンテナを使用することにより、ノイズ対策の効果を簡単に速やかに確認でき、また、CISPRと同様の原理にて3軸方向の放射レベルも測定する事が出来ます。

  • X軸
  • Y軸
  • Z軸
軸方向による磁界放射ノイズの違い
  • ノイズ未対策品
    ノイズ未対策品
  • ノイズ対策品
    ノイズ対策品
ノイズ対策前後での磁界放射ノイズの違い

磁界プローブによるノイズ周波数、ノイズ発生箇所の特定

ノイズ対策においては、周波数はもちろん、発生箇所を如何に厳密に特定するかが非常に重要です。LED照明においては放射性ノイズ発生源として、電源ユニット部が主となります。

次に、一般的な家庭用LED照明器具において、簡易磁界プローブで放射磁界ノイズをスペクトラムアナライザで測定する様子、測定結果を示します。

  • MSA438の、データセーブ/ロード機能により、画面上で比較

    A) 緑:LED電源ユニット近くにプローブした場合
    B) 黄:照明中央部にプローブした場合
    [MSA438の、データセーブ/ロード機能により、画面上で比較]

  • スペクトラムアナライザと簡易磁界プローブによる放射磁界測定

照明器具内の電源ユニット近くにプローブすると、低周波数領域で大きな磁界放射ノイズが観測されています。この様に簡易磁界プローブを使う事により、非常に簡単に磁界放射ノイズの周波数と場所が特定できる事がわかります。プリント基板上などで、より精密に発生箇所を特定したい場合には、精密磁界プローブ(CP-2SA)を使用することにより、約1mmの分解能で特定可能です。

まとめ

以上、LED照明器具から発生する各種ノイズの測定について述べてきました。

  • LED照明器具から発生するノイズは、低域周波数での磁界放射ノイズと伝導エミッションノイズが主である
  • MR2300 EMI試験システムによる伝導エミッションノイズ評価で、伝導エミッションノイズを測定し、プリコンプライアンス試験として事前評価する事で、サイト評価の時間・コスト・リスクを大幅に低減出来る
  • 磁界放射ノイズは、XYZの3軸方向で発生の様子が大きく異なるが、小型ループアンテナを使用することで、CISPRでの規定と同様の原理での評価を手軽に行う事が出来る
  • 磁界プローブとスペクトラムアナライザを使用することで、磁界放射ノイズの発生周波数、場所を特定し対策を効率的に進めることが出来る

この様に、マイクロニクス社では、LED照明器具のノイズ対策からプリコンプライアンスまでを効率的に行う為の様々な測定システムを提供しています。

ハンディ型 スペクトラムアナライザ MSA438Eの主な仕様、特徴

マイクロニクス社スペクトラムアナライザ MSA438Eには以下の特徴があり、手軽で安価ながら本格的な測定を行う事が出来ます。

  • 測定周波数範囲:測定周波数範囲: 50kHz ~ 3.3GHz
  • EMI測定に必要な機能を標準装備: RBW 9kHz/120kHz/1MHz(6dB帯域幅), QP/AV検波
  • 手軽なハンディータイプ、バッテリー4時間駆動、使いやすいユーザーインターフェース
  • 200のユーザー設定の保存・読出し
  • USBメモリへの測定結果のセーブ(csv形式)、測定結果画面のダンプ(bmp形式)機能
  • 専用USBプリンターで、手軽に結果を印刷
  • 多彩な演算・測定機能:Max/Min Hold、Average/Over write、チャネルパワー/隣接チャネル漏洩電力
  • 短納期対応

システム構成リスト、価格

MR2300 伝導エミッションノイズ測定

EMI用スペクトラムアナライザ MSA438E
ACアダプタ、ソフトケース、アクセサリ収納袋、取扱説明書付属
x1 ¥568,000
リチウムイオンバッテリ MB400 x1 ¥21,600
MSA438E 校正一式 x1 ¥47,100
ラインインピーダンス安定化回路網 MPW201B
150kHz~30MHz
x1 ¥198,000
EMI用PCソフトウェア: MAS430, USB接続ケーブル(MI400) x1 ¥101,500
ケーブル・アダプタ一式 x1 ¥70,000
ノイズカットトランス: 1.5kVA x1 ¥99,000
グランドプレーン x1 ¥75,000
非伝導性木製テーブル x1 ¥250,000
合計 ¥1,430,200

磁界放射ノイズ測定

EMI用スペクトラムアナライザ MSA438E
ACアダプタ、ソフトケース、アクセサリ収納袋、取扱説明書付属
x1 ¥568,000
リチウムイオンバッテリ MB400 x1 ¥21,600
ループアンテナ MAN120 x1 ¥198,000
簡易磁界プローブセット(円径: 1cm/4cm) x1 ¥20,000
精密磁界プローブ CP-2SA x1 ¥338,000
変換アダプタ、接続ケーブル一式;
N(J)/BNC(P):MA309
N(P)/SMA(J):MA306,SMA(P)/SMA(P)1.5m:MC204
SMA(J)/SMA(J):
x1 ¥35,000
合計 ¥1,180,600

電界放射ノイズ測定

EMI用スペクトラムアナライザ MSA438E
ACアダプタ、ソフトケース、アクセサリ収納袋、取扱説明書付属
x1 ¥568,000
リチウムイオンバッテリ MB400 x1 ¥21,600
MSA438E 校正一式 x1 ¥47,100
電波暗箱 [MY5310] x1 ¥3,100,000
電動ターンテーブル [MT106] x1 ¥1,050,000
広帯域アンテナ [MAN101] 30MHz~1GHz x1 ¥352,000
自動制御ソフトウェア [MAS430T] x1 ¥288,000
システムインテグレーション費 x1 ¥228,000
合計 ¥5,654,700

※リース、レンタルプランもご用意しております。別途ご相談ください。
※表示価格は全て税抜きです。
   ※詳細は弊社営業担当までお問合せ下さい。

参考資料

キーワード

LED照明、LED電球、雑音、ノイズ、磁界放射ノイズ、伝導エミッションノイズ、雑音端子電圧、 電安法、CISPR、ラインインピーダンス安定化回路網、スペクトラムアナライザ

注1) 経済産業省 “電気用品安全法施行令の一部を改正する政令(案)に関する意見募集について” (2011年1月6日公示) より
注2) 国際無線障害特別委員会